老後の生活に備え、定年後も仕事をしようと考えている方も多いかと思います。
実は定年後も仕事を続ける方の割合は多く、再就職することの難易度もそこまで高くありません。
しかし、定年後にどのような仕事ができるのか、どのような求人があるのかなど、疑問に感じる方もいるでしょう。
そこでこの記事では、定年後におすすめの仕事ランキングや探し方、事前にしておくべきことについて解説します。
目次
定年後も仕事を行う人の割合は?
定年後も仕事を行う方の割合は上昇傾向にあり、その中でも65歳以上の就業者数は、20年連続で前年を上回っています。
近年における65~69歳の就業率は、以下のとおりです。
・2019年:48.4%
・2020年:49.6%
・2021年:50.3%
・2022年:50.8%
・2023年:52.0%
出典:「令和6年版高齢社会白書(全体版)」(内閣府)(https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2024/html/zenbun/s1_2_1.html)(2025年2月21日に利用)
定年後も仕事を続ける背景には、年金受給開始年齢の引上げや、老後の生活資金への不安などが考えられます。
今後も高齢化社会が進むにつれて、定年後も働く方の割合は増えていくでしょう。
そのため、シニア層を対象とした求人の増加や再雇用制度の導入など、社会全体で高齢者の就労を支援する動きが活発化しています。
定年後の仕事を探したほうがよい理由
定年後も働くことは、年金収入だけでは不足する生活費や、予期せぬ病気やケガに備える上で有効な手段です。
これらの理由について、詳しく解説します。
老後が豊かになる
定年後も働くことは、経済的な安定を作り、豊かな老後を過ごしやすくする利点があります。近年では「老後2,000万円問題」が問題視され、年金だけでは生活に不安を感じる方が多数です。
老後2,000万円問題とは、金融庁の報告書をきっかけに話題となった資金問題です。その報告書では、2人暮らしの高齢夫婦は、その後30年間で1,300~2,000万円の資金が不足すると指摘しています。
しかし、定年後も収入を得ることで、老後の生活費を補えます。金銭の悩みを軽減できるため、定年後も働くことは有効です。
リスクに備えられる
定年後の仕事は「収入の減少」、「健康問題」、「孤独感を抱える」などの老後のリスクに備え、安心して生活するための基盤となります。
これらのリスクは、経済的な負担だけでなく、心身の健康や生活の質にも影響を与えるおそれがあります。しかし、定年後も仕事をすることで、リスクを軽減し、安定した生活を目指せます。
例えば、予期せぬ病気やケガに備えて、医療保険に加入するための資金を確保することが可能です。
さらに、仕事を通じて社会とのつながりを維持することで、孤独感を軽減し、心の健康を保てます。
老後に安心して生活できるよう、仕事を探すとよいでしょう。
定年後の仕事に備えてすべきこと
定年後に新たな仕事をすることは、環境が変わることもあり、長く続けられなかったり体を壊してしまったりするケースも多いです。
それを防ぐために、仕事選びの際に重要なポイントがあります。ここでは、定年後の仕事に備えてすべきことについて紹介します。
必要な収入を把握する
まず、定年後に毎月どの程度の収入が必要であるかを把握しましょう。それにより、仕事の目標が明確になり、仕事選びの軸が定まります。
定年後もこれまでと変わらない生活水準を維持したいのか、あるいは旅行のような趣味を楽しみながら暮らしたいのかは人それぞれです。
必要な収入額によっては、フルタイムの仕事ではなく、パートやアルバイトで十分である可能性もあります。
また、目標とする生活水準の実現に向けて働くという意識を持つことで、仕事のモチベーションを高く維持する効果も期待できます。
「毎月の生活費」、「住宅ローン」、「医療費」「趣味や娯楽にかかる費用」などを洗い出し、具体的な費用を算出した上で、定年後の仕事を探してみましょう。
優先事項を決める
定年後の優先事項を決めると、自分に合った仕事を見つけやすくなります。優先事項も「収入」、「仕事内容」、「家族との時間」など多岐にわたります。
例えば、収入を重視するのであれば、給与が高いフルタイムの仕事から選びましょう。
一方、家族との時間を優先するならば、パートやアルバイトの仕事を選ぶことで時間の余裕ができるため、充実した生活を送れます。
また、「仕事を通して社会貢献したい」、「これまでの経験をいかして働きたい」など、やりがいや生きがいを重視する方もいるでしょう。
自分が何を重視しているかによって、適した仕事内容や雇用形態は変わってきます。定年後の優先事項を決め、充実した老後につなげましょう。
自分の強みを整理しておく
自分の経験やスキルといった強みを整理しておくと、面接でアピールしやすくなります。
例えば、複数人の部下を統率し、成果を挙げているのであれば、マネジメント能力やリーダーシップが強みと言えるでしょう。
そのほかにも、前職で特定のスペシャリストとして活躍していたのであれば、高い専門性がアピールポイントになります。
自分の強みを把握しておくことは、会社への効果的にアピールできるだけでなく、自分の能力をいかせる仕事を探す上でも役立ちます。
強みを整理していると、仕事にいかせるスキルがあったことに気づくこともあります。自分では当たり前だと感じていることも含め、これまでの経験やスキルを書き出してみるとよいでしょう。
働き方を改めて考える
希望する業界や職種によっては、正社員雇用が難しいおそれがあるため、正社員以外の働き方も検討してみましょう。
また、フルタイム勤務は、安定した収入が大きなメリットですが、体の負担が大きくなるデメリットがあります。
一方、パートやアルバイトは、勤務時間や日数を調整できるため、時間に余裕が生まれます。プライベートを充実させたい人には魅力的な反面、収入は少額になる可能性が高いです。
これらのメリット・デメリットを総合的に比較し、最適な働き方を選択することが、定年後の充実した生活につながります。
人脈を広げておく
定年後の仕事探しをスムーズに進めるためには、現役時代から人脈を広げておくことが有効です。
さまざまな人と関係を築いておくことで、仕事に関する情報交換や相談がしやすくなり、新たなチャンスにつながることもあります。
例えば、働きたい業界のセミナーや交流会に参加することで、定年後の仕事に関する情報を得られる可能性があります。
参加してもその会社で働く必要はないため、興味のあるイベントへ気軽に参加してみるとよいでしょう。
また、以前の職場の同僚や取引先との関係を良好に保つことで、仕事を紹介されるかもしれません。
もしも、応募したい会社に知人が勤めているのであれば、仕事内容や職場の雰囲気を詳しく聞けるため、入社後のミスマッチ防止にもつながるでしょう。
定年後の仕事を選ぶポイント
定年後に働こうとしても、どのように仕事を選べばよいのか、思い悩む方もいるかもしれません。
そこで、ここでは仕事選びの中でも、特に重要な3つのポイントについて詳しく解説します。
いろいろな手段を用いて探す
1つの方法に限定せず、さまざまな手段を用いたほうが、条件にマッチする仕事を見つけやすくなります。
仕事を探す方法は、ハローワーク以外にも「人材紹介サービス」や「再就職支援」などがあります。
まず、人材紹介サービスは、企業と求職者をつなげる民間のサービスです。シニア向けの人材紹介サービスもあり、求人紹介や応募書類の添削などが受けられます。
次に再就職支援は、早期離職や定年退職後に再就職を目指す方を対象としたサービスです。専門家のサポートを受けられることが特徴です。
このように定年後の仕事を探す方法は複数あるため、可能な限り多くの手段を活用することで、自分に適した仕事を見つけられる可能性が高まります。
早めに求人を探す
定年後の仕事探しは、現役時代から進めておくことで、自分に合った仕事を見つけられる可能性が高くなります。なぜなら、時間に余裕があることで、再就職に焦らず冷静な判断ができるためです。
具体的には、定年を迎える数年前から、求人情報や興味のある企業のホームページなどを確認し始めましょう。
一方で、定年後から仕事探しを始めると、希望の求人を見つけられなかったり、再就職を焦って自分に合わない仕事に応募してしまったりするおそれがあります。
取り組みやすい仕事を探す
体力や精神への負担が少なく、取り組みやすい仕事を選ぶと余裕をもって働けます。
体に負担をかけすぎると体調を崩しやすい上、回復に時間がかかるおそれがあります。取り組みやすい仕事に就き、体力面の負担を軽減することは、健康維持の上でも重要です。
また、新しい環境に適応することが難しいと感じる方は、ストレスで心身の不調を引き起こすおそれもあります。
しかし、これまでの経験をいかせる仕事や、サポート体制が充実している仕事であれば、このような負担も少なく働きやすいでしょう。
取り組みやすい仕事を探すことは、充実した老後を送るためにも重要となります。
定年後におすすめの仕事11選
定年後の仕事は、無理なく続けられるものを選びましょう。体力やライフスタイルに合わせたり、労働時間を柔軟に選べたりすると、充実したセカンドライフにつながりやすくなります。
これらの点を踏まえ、定年後におすすめの仕事を11種類ご紹介します。
介護職員
介護職は、慢性的な人手不足に頭を悩ましていることもあり、定年後も長期的に働ける業界です。
若い世代が活躍しているイメージがありますが、60歳以上で働いている方も多く、シニア層を求めている介護施設も珍しくありません。
また、介護職員には、コミュニケーション能力や、相手の気持ちを察する力などが求められます。これらは、一般的に社会人経験や人生経験を通して培われるため、定年後に介護職で働くときの強みとなります。
警備員
警備員は体への負担が比較的少なく、年齢に関係なく働けるため、多くの企業が定年後の方も募集しています。
その中には、シニア層向けの研修制度を設けている企業もあり、未経験の方でも働けます。
また、警備員は「フルタイム」「パート・アルバイト」「夜勤」など、さまざまな働き方を選べることも特徴です。
週2~3日勤務や短時間勤務などが可能な求人も多く、自分のライフスタイルや希望収入に合わせた働き方を選べます。
清掃員
清掃員は、オフィスビルや病院などさまざまな場所で求められているため、定年後でも比較的仕事を見つけやすいです。
特別な資格やスキルを必要とせず、基本的な清掃方法は会社が教えるため、未経験者でも安心して働けます。
なお、清掃員の仕事は、業務内容や勤務場所によって体にかかる負担が異なることがあります。例えば、オフィスビルの清掃は軽作業が中心である一方で、ホテルの清掃は心身ともに疲弊しやすいといわれています。
管理人
マンションやアパートの管理人の仕事は、受付業務や巡回、簡単な清掃などが中心で、重労働は少なめの傾向があります。
また、管理人の仕事は、常に一定の需要があるため求人数が多く、定年後でも仕事が見つかりやすいです。
なお、管理人として働く際は、入居者や来訪者とのコミュニケーションが必要不可欠です。そのため、人と接することが好きな方や、コミュニケーション能力に自信のある方には特におすすめできる仕事でしょう。
タクシー運転手
タクシー業界は、定年後の60~70代のドライバーも多く活躍しています。タクシーの運転には普通自動車第二種免許が必要ですが、取得するための講習費用は、会社負担になる場合もあります。
また、ほとんどのタクシー会社で接客マナーや事故防止対策などの研修を実施しているため、未経験者でも始めやすいでしょう。
タクシー会社によっては、日勤や夜勤のほかに、一日おきに働く隔日勤務などの働き方を柔軟に選べます。自分のペースで仕事ができるため、体への負担も軽減しやすいでしょう。
貨物ドライバー
貨物ドライバーは、個人宅や企業が指定した場所へ荷物を運びます。大型トラックに限らず、軽ワゴン車やスクーターなどの軽自動車でも可能であるため、その車の運転免許があれば始められます。
特にネット通販の商品などの軽量な荷物を運ぶ仕事であれば、体への負担が少なく働きやすいでしょう。また、運送業界全体は人手不足が続いているため、求人が多いこともメリットです。
正社員だけでなく、パート・アルバイト、業務委託といった求人もあるため、自分のライフスタイルや希望収入に合わせて働き方を選べます。
軽作業員
軽作業は、複雑な判断や高度なコミュニケーション能力を求められることが少ない仕事です。求人も多いため、年齢に関係なく取り組みやすいでしょう。
短時間勤務や1週間に数日だけ働けるため、自分のライフスタイルや体力に合わせて調整できます。
また、比較的簡単な作業が多いため採用のハードルが低く、短期間で仕事に就ける可能性は高いでしょう。
ICT支援員
ICT支援員は、小学校および中学校などでICT機器の操作サポートや、教員への技術的な支援を行います。
ICTとは、コンピュータやデータ通信に関する情報技術のことです。既に教育現場ではプログラミングなどを学ぶために、ノートパソコンが各生徒に支給されています。
もしも、長年企業でパソコンを使用してきた経験や、IT関連の知識・スキルがあるのであれば、それをいかすことができるでしょう。
なお、教員免許は必要ありません。ICTに関する基本的な知識があり、人に教えることが好きな方であれば、活躍できる可能性は高いでしょう。
コールセンタースタッフ
コールセンターの仕事は「座って働ける」、「未経験でも働きやすい」などの魅力があり、中には時給1,500円以上の求人もあります。
重いものを運んだり、立ち姿勢で作業したりはしないため、体への負担は比較的少なめです。
また、定年まで働いた方は、社会人経験の中でさまざまな顧客や社員と接し、臨機応変に対応する力が自然と身に着いている傾向にあります。
これは、コールセンター業務でいかせる、定年まで働いた方の強みと言えます。
事務員
事務職はデスクワークが中心であるため、体力にあまり自信がない方でも問題なく働けます。
特に、長年のオフィスワーク経験をいかしたい方は培ってきたスキルを活用できます。
一例として、Word・Excel・PowerPoint等を使用した資料作成は、多くの企業が求人を出すため、定年後でも仕事を見つけやすいです。
また、フルタイムやパート、派遣など働き方も多様で、ライフスタイルや希望収入に合わせて雇用形態を選べます。
買取フランチャイズオーナー
フランチャイズとは、フランチャイズ本部と呼ばれる会社と契約を結び、事業を行うビジネスモデルです。フランチャイズ展開している業種はコンビニや飲食店など多岐にわたりますが、その中でも買取フランチャイズがおすすめです。
多くの場合、買取フランチャイズでは商品在庫の取扱いや買取った商品の引渡し先など、経営者が頭を悩ませるポイントをサポートすることが一般的です。そのため、未経験の方でも買取ビジネスを始めることができます。
定年後も働きたいと考える方の中には「いつかは自分の店を持ちたい」、「独立してみたい」という夢を持つ方もいるでしょう。買取フランチャイズは、独立開業の夢を実現できる選択肢の1つです。
買取フランチャイズに挑戦するなら「買取大吉」がおすすめ
定年後のおすすめの仕事として、買取フランチャイズを紹介しました。
買取フランチャイズで成功を目指すなら「買取大吉」をご検討ください。現在「買取大吉」では、フランチャイズ加盟店を募集しています。
・店舗継続率96.4%(※)を可能にした「店舗OJTサポート」
・直営店の成功事例に基づいた「運営サポート」
・折り込みチラシやWeb広告を活用した「集客サポート」
・開業資金を調達する「創業融資サポート」
このように、開業前後の徹底したサポート体制が整っているため、未経験の方でも安心してスタートできます。
※ 2023年10月~2024年9月のデータです。
まとめ
今回は定年後におすすめの仕事や、仕事を選ぶ際のポイントについて解説しました。
定年後も働ける仕事は多数あり、豊かな老後やリスクに備える上で有効です。しかし、体力や希望するライフスタイルなどを考慮しなければ、仕事選びに失敗するかもしれません。
自分に合った仕事を見つけるために、ぜひこの記事の内容を参考にしてみてください。